12月10日、タイとミャンマーで居酒屋などを17店舗展開する しゃかりき432″ が、チャオプラヤー川沿いで現在建設中のコンドミニアムCanapaya Riverfront敷地内に巨大ビアガーデンをオープンする。
当店は、来年4月のソンクラーン(タイ水掛け祭り)までの約5ヶ月間の期間限定となる。
川沿いのボードウォークから客席になっており、バンコク周辺のタイ人の人気スポットとなることが予想される。実際にグランドオープンに先立つ11月14日からプレオープン営業中で、来店客のほとんどがタイ人。プレオープン中にもかかわらず、週末にはタイ人客でほぼ満席の活況ぶり。
Canapaya Riverfrontは2017年内完成予定の総戸数188室、57階建て高級コンドミニアムで、完成後は敷地内に20,000平米のショッピングモールを併設する。Canapaya Riverfrontの立地は、シーロム、スクムヴィットなどのバンコク都心部から車で10~20分程度の場所にある。
しゃかりき432″Riverfrontはその巨大な店舗面積、席数だけでなく、屋外型ビアガーデン、5ヶ月間の期間限定ということからもいままでのしゃかりき432″とはかなり趣向の異なった業態となる。しゃかりき432″を率いる社長の清水友彦さんは、「人生最大のどデカいやつやで。もうすでに3,000万円(日本円換算)つっこんだんや。ここでコケたらヤバイねん。これ当たったら、ズバッバッバッバーンやでな。」と、意気込みを語る。
清水さんの言葉の通り、これまでタイで展開してきたしゃかりき432″の各店舗は、日本人の集客がある程度見込める場所に出店してきた。初の郊外店であるシーラチャ店も、日本人が多く居住する地域のイオンモール内への出店。しかし、このCanapaya Riverfrontは周囲に日本人がほとんどいないタイ人エリア。しゃかりき432″にとっては未知の世界への船出となる。
今回の取材に頭巻きタオルとハッピ姿で現れた清水さんは、開口一番「またフースタかいな。あかんで、フースタにラーメン屋の記事出たあとに店畳んでもうたやん。」と、11月いっぱいでラーメン専門店の”RAMEN432″と”お好み焼き業態の”SHAKARIKI 432″ Sukhumvit39″を閉店したことを明かした。さらに、「こまい店はあかんねん。専門店とかダメやねん。やっぱ居酒屋で行くしかないねんな。これからは居酒屋で勝負するで。」と来年以降も出店攻勢を仕掛けていくことを自分自身に言い聞かせるように宣言した。
現在、タイには2,300軒を超える日本食レストランがある。タイの日本食はブームやトレンドではなくコンビニやスーパーでも手軽に手にすることのできる日常食としての地位を確立したと行っても過言ではない。一方で今年に入ってからも「幸楽苑」や「まいどおおきに食堂」などの撤退がニュースになるなど、市場競争の激化がささやかれている。
2012年にアソークの人が寄り付かないようなビルの地下に、しゃかりき432″一号店を出店したときから今日までの成長を見守ってきた者として言わせてもらえば、”見切り発車”と言われつつ出店、退店を躊躇なく決断してきた結果が現在の成功につながっているのだと思う。ニュース記事で言われるような、タイの日本食市場の競争激化は市場環境の変化の一つではあるが、”失敗の本質”ではないことは明らかだ。
(取材=まえだ ひろゆき)
店舗データ
店名 | Shakariki432" at Canapaya Riverfront |
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住所 | 166/64 Rama III Soi 24, Bang Khlo, Bang Kho Laem, Bangkok 10120 |
電話 | 086 321 8423 |
営業時間 | 17:00-03:00 (月曜日-金曜日) 11:00-03:00 (土曜日-日曜日) |
定休日 | なし |
坪数客数 | 3,000平米(客席2,000平米、駐車場1,000平米) 700席 |
客単価 | 1,000 THB |
運営会社 | Shakariki432 Co., Ltd. |
関連リンク | Shakariki432" at Canapaya Riverfront Facebookページ |
関連リンク | しゃかりき432" Facebookページ |
関連リンク | CANAPAYA Riverfront ウェブサイト |
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