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日本で育まれた焼肉文化を世界に! 「大阪焼肉・ホルモン ふたご」が台湾進出。密着サービスと肉の味で勝負

FTG Companyを率いる李純哲氏(左)と李純峯氏
台湾でも名物「はみ出るカルビ」を楽しめる
台湾1号店でも食材にこだわり、おいしい焼肉の提供を目指している
台湾1号店の内装は日本のテイストだ

焼肉という食文化を世界中に根付かせたい――。そんな強い思いを胸に、海外展開を進めているのが、焼肉チェーン「大阪焼肉・ホルモン ふたご」を展開するFTG Company(本社:東京都目黒区)だ。大阪・鶴橋出身の兄弟、李純哲氏と李純峯氏が率いる同社は、10月末、台湾に店舗をオープンし、海外進出を果たした。さらに、今後も世界展開を積極的に進める方針を打ち出している。

日本企業ではなく世界企業に

「日本は事業エリアの一つに過ぎない」。こう断言するのは、FTG Companyの社長を務める純哲氏。一卵性の双子の弟で、同社の副社長を務める純峯氏との二人三脚で事業を展開する。33歳の二人は、2010年に立ち上げた「ふたご」の店舗網を急ピッチで拡大しながら、各店舗を繁盛店に盛り立ててきた若き新鋭だ。
これまでに、日本国内のふたごの店舗数は15店ほどに上っている。一方、グローバル展開を目標に事業をスタートしたため、日本を国際展開においての拠点の一つだと位置づけているのだ。
世界展開の足がかりとして、FTG Companyは10月28日、台湾・台北に「ふたご大安店」をオープンした。同社にとって初の海外店舗で、これを皮切りに海外展開を積極的に推し進める意向だ。
FTG Companyの行動は早い。12月15日には同じく台北に台湾2号店をオープンする。その上で、さらに店舗数を増やす意向で、台湾では今後20店舗ほどの運営を見込んでいる。
その後、2014年の3月か4月には、香港店をオープンする計画だ。そして、2014年7月には世界経済の中心地である米ニューヨークへの進出も狙っている。
今後も、国内外で出店攻勢をかけ、店舗ネットワークを拡充させ、将来的にはグローバルで1,000店の設置を目指すという。

密着サービスで常連客を取り込め

台湾の店舗は、フランチャイズ(FC)形式により運営されているが、FTG Companyは人材育成や食材の調達などで深くかかわっており、FCながらも直営店といった趣だ。
これは「ふたご」が、顧客に密着したきめ細かなサービスを強みとしていることが大きい。台湾でも日本と同様に、質の高いサービスの提供を目指しているという。
「ふたご」では、商品知識の豊富なスタッフが、テーブルについて肉を焼いてくれるというスタイルがとられる。同時に、スタッフは持ち前の専門知識を生かして商品の説明を行なうほか、来店者とのコミュニケーションを重視する。スタッフとの密度の濃いやりとりが「ふたご」の大きな特徴だ。
つまり、「ふたご」は焼肉を食べさせるだけの店ではないということだ。客は店に足を運び、気心の知れたスタッフと会話を弾ませながら、時間を過ごすことで、腹だけではなく心も満たすことができる。
これを可能にするために、力を入れているのが「FUTAGURAM」という人材育成プログラム。「ふたご」の中心はアルバイトスタッフだが、本社での研修やOJTを通じ、商品に関する専門知識や接客トークなどをみっちり教え込む。同時に、スタッフ一人ひとりの仕事ぶりや知識を確認するチェックシートを導入するなどし、スタッフが成長できる仕組みづくりをしている。
人材面に力を入れているからこそ、客に密着したきめ細かな接客サービスが可能になり、これがほかの店との差別化につながっている。海外でもこの路線を踏襲していく。

「焼肉は幸せの味」

急成長を遂げ、さらにはグローバル展開に踏み出したFTG Companyだが、その原点は多くの人に「焼肉を食べて幸せになってほしい」との願いだ。 李兄弟の大阪・鶴橋の実家では、母が中心となり焼肉店を経営している。そして、鶴橋自体がコリアンタウンであり、数多くの焼肉店がひしめくなど、二人にとって焼肉は非常に身近な存在である。家族や友人と一緒に味わった焼肉の味、そして焼肉を食べながら過ごした楽しい時間が、焼肉を世界に広めたいという二人の願いの根底にあるのだろう。
純哲氏は20代前半、将来を考えた際、母の経営する焼肉店のことが浮かび、自然と「焼肉で生きていこう」と思い至った。そんな時、金信彦氏率いる焼肉チェーン「トラジ」を知り、すぐさま上京して同社の門を叩いた。トラジではアルバイトから仕事をスタートし、着々とキャリアを積みながら、27歳の時には子会社の代表に就任した。
さらに、当初からの目標である独立を実現するため、純峯氏をトラジに呼び寄せた後、30才の時にFTG Companyを設立し、独立を果たしたのだ。
独立後は人と人の触れ合いが感じられるような店舗作りを目指し、高級品ではなく「日常食」としての焼肉を出す店を心がけてきた。同時に、オリジナルメニューの開発に力を入れるとともに、少量で提供するスタイルを導入し、さまざまな種類の肉を楽しんでもらうことを目指してきた。
日本発のすしやラーメンは、既に日本だけのものではなく世界的な食べ物になっている。そんな中で、日本で育まれた焼肉文化を世界に発信し、「肉=焼肉にしたい」と強調する純哲氏と純峯氏。二人は世界の人々に、日本の焼肉文化を伝える伝道師になることができるのか。
急速な成長路線と、質の高い密着サービスを両立させながら、おいしい焼肉を提供していく体制を維持するのは、そう生易しいものではないだろう。だが、困難な状況にも、兄弟+全スタッフで力を合わせ、常に前進していこうとするFTG Company。同社はどこまで店舗網を拡充するのか。そして次はどの国に進出するのか。FTG Companyの動きから目が離せない。

(取材=巣内 尚子)

店舗データ

店名 大阪燒肉赫爐夢(賀爾蒙)雙子大安店
(Oosaka Yakiniku Horumon FUTAGO)
住所 台湾台北市大安區大安路一段52巷25號
電話 02-2775-3614
営業時間 月~金17:00~2:00 / 土日 17:00~24:00
定休日 なし
坪数客数 38坪 42席
客単価 1,200元
運営会社 香港商夢廣場餐飲有限公司台北分公司
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