焼鳥居酒屋「くふ楽」、「福みみ」など7業態、21店舗を、東京と千葉で展開するKUURAKU GROUP(千葉県千葉市、代表取締役:福原裕一氏)。創業4年目の2003年には初の海外店をカナダに、また2013年にはインドへ出店するなど、当初より海外出店を視野に展開してきた。そして2014年7月には、ジャカルタで繊維業を主業とする現地企業とフランチャイズ契約を締結。5年で10店舗以上を目指し、2月23日に1号店となる「福みみ ジャカルタPIK店」がオープンした。
出店地は、市街地から車で2~3時間を要する郊外を選択。同地は、中華系インドネシア人富裕層の居住区であり、飲食店密集エリアだ。「インドネシアには焼鳥に近い“サテ”があるので、串焼きという文化は根付きやすい。そのため、市街地には日本式の焼鳥店が多くあります。また、現地の方々には日本食への親しみがあることから、日本式の焼鳥が郊外でも十分受け入れられると判断しました」と福原氏。また、駐在日本人のいるエリアは家賃が高いことから、まずは低投資出店が可能な郊外に出店した。
料理は「日本の味をそのまま持っていこう」と、ほぼ日本と同じメニュー内容で構成する。食材に関しては、日本から立ち上げスタッフを送り、FCオーナーと共同で仕入れ先を開拓。現在は、豚肉と牛肉を輸入する以外は、現地調達した食材で対応する体制を整えている。また日本と同様に、1本1本手刺しした串を、本格炭火でふっくら柔らかに焼き上げるスタイルを踏襲。創業当初より継ぎ足しでつくる醤油だれと塩の2種類で、日本式焼鳥の醍醐味を提供する。「サテは甘いソースが主流ですが、日本流のたれ、塩ともに飽きのこない繊細な味と高い評価を頂いておりますね」(福原氏)。
メニューは焼鳥や牛串などの串、鍋、サラダ、つまみ、からあげ、ごはんもの、甘味などを用意。串は「豚バラ」(25,000ルピア)、「上牛タン」(33,000ルピア)、「牛カルビ」(30,000ルピア)が売れ筋であり、一品料理では「羽根つき鉄鍋餃子」(48,000ルピア)、「バリそばサラダ」(55,000ルピア)などが人気だ。「現地の方々は串を1本ずつ自分用にオーダーされることが多いです。また、住宅街でもあるため、家族連れが目立ち、特に週末の集客数が上がります」(福原氏)。食事中にアルコールを飲むという文化がないため、現地客のうち95%はおかわり自由の「緑茶」(12,000ルピア)をオーダーするという。そのため、ドリンクの売上げ比率は15%にとどまっており、客単価も日本円の半分の1,500円(165,000ルピア)で推移する。
「一番大変だったことは採用」と振り返る福原氏。富裕層が住むエリアのため、採用対象となるインドネシア系は距離的に遠いエリアに住むことから、人材募集から採用までに3ヵ月を要したという。また、教育面でも言葉の壁があったことから、調理やサービス、果ては掃除一つに至るまでの細かな部分を文章化したマニュアルを作成。実際の教育指導と合わせ、言葉のフォローを徹底した。
「海外出店をされる経営者の中には、ハラール対応を気にする方もいると思いますが、今回のターゲット層であれば影響はほとんどありません。ですので、ハラールを意識するより、マーケットの可能性を重視すべきですね。そうした意味でも、ジャカルタで日本食を伝えるチャンスはまだまだあると感じています」と福原氏。ジャカルタ店は、オープンから継続して売上げが伸張。今後は、ランチ営業も開始する準備を進めるほか、稼働していない2階部分も拡張し、さらなる売上げアップを図る。
(取材=虻川 実花)
店舗データ
店名 | 福みみ ジャカルタPIK店 |
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住所 | Ruko Emerald No.11-12 Pantai IOndah Kapuk Boulevard Jakarta Utara 14440 |
電話 | +62-21-29032915 |
営業時間 | 月~木 11:00-15:00、16:00-22:00 金~日 11:00-15:00、16:00-23:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 1F 45坪 75席 |
客単価 | 165,000ルピア |
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