沖縄で「いぶし銀次郎」、「生け簀の銀次郎」、「目利きの銀次」などのブランドを13店鋪展開する「みたのクリエイト」(沖縄県中頭郡、代表取締役CEO:田野治樹氏)。産直の鮮魚を売りに、原価率120~200%を投下する看板商品を打ち出し、圧倒的価値で一躍繁盛店へと成長を遂げ、各業界から注目を集める企業である。同社は今年、子会社と現地企業2社が持ち株で日系タイ法人を設立。11月1日には、タイ・バンコクに海外1号店となる「産地直送仲買人 目利きの銀次 K-ビレッジ店」の出店を果たした。
「タイ出店の目的は、文化の改革です。タイには日本食を食べながらお酒を飲む文化があまりありません。だから現地には、日本人相手の居酒屋が多いんです。しかし、タイに出すには現地の方に喜んでもらわないと意味がない。そこで、居酒屋文化を浸透させタイ人が来店しやすい価格、メニューを掲げ、楽しんでもらいたいと考えています」
“居酒屋文化”を浸透させるために、日本とほぼ同様のフードメニューを提供。日本の直営店では産直ものを使用するが、バンコクでは現地食材を約3割使用する。価格は現地スタッフと話し合いながら、タイ人が感じる価格よりも少し低めにし、客単価は1,000Bを想定。この客単価は日本店とほぼ同じである。さらに、「目利きの銀次」のキラーコンテンツとなっている、北海道の鮮魚を使った原価率100%超の「選べる5点刺し桶盛り」を299Bで用意。日本と同じ調理法を採用することで、日本の居酒屋メニューを提案する。
「あえて日本人をターゲットにしない」ために、タイ人のみオーダー可能なメニューに考案。同メニューにはビール1杯をサービスすることで、原価をかけてでも酒と料理を楽しんでもらうきっかけづくりを行なうという。また、さらにアルコールを楽しんでもらうため、生ビール、ハイボール、シンハービールを入店1時間は1杯50Bに。「安いから飲んでみよう、と感じてもらうことで長居してもらい、2軒目にパブに行く予定だったのを『ここでいいか』と思わせる戦略です。当店1軒で食事、飲みができる完結型店鋪を目指します」
文化を変えるのは食だけにあらず。同社の海外出店におけるミッションは、「タイの所得水準を上げる」こと。そのための取り組みとしてまず、同社が日本で行なっている、テスト方式の昇級・昇給制度を今後導入予定だ。これにより、現地スタッフの目標を明確にし、仕事に対してのモチベーションアップを狙う。「具体的には沖縄・新都心の『目利きの銀次』と同じ人事売上高にし、タイで30人まわしているのを10人まで減らし、一人当たりの給与を3倍にすることが目標です。オープン1年以内にはこれが実現できればと思います」。具体的な目標を与え仕事に対する意識を変えることでスタッフ人員を減らし、さらに給与が上がることで仕事に対して誇りを持ってもらう。このことで離職率を下げ、ホスピタリティが高くなれば文化を変えることは可能だと、田野氏は考えているという。
現在、「目利きの銀次」を香港に2店鋪、「いぶし銀次郎」をバンコクに1店鋪の計3店鋪をFCで展開。今後は、直営はバンコクに3店鋪のみにとどめ、バンコク、香港を中心にFC店鋪を数十店鋪単位で展開する予定だという。また、日本では3つの新業態の出店を考案中だと話す。
(取材=虻川 実花)
店舗データ
店名 | 産地直送仲買人 目利きの銀次 K-ビレッジ店 |
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住所 | 93,95 sukhumvit 26 klongton klongtoey Bangkok |
電話 | +66(0)2-661-3840 |
営業時間 | 11:00~翌1:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 90坪 160席(テラス含む) |
客単価 | 1,000B(想定) |
運営会社 | 株式会社 みたのクリエイト |
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