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「もつ焼きエビス参」上海に次いでバンコクに2012年12月出店。レバ刺しなど内臓生肉の提供で一躍繁盛店へ!

レバ刺しなどの生食も提供し話題を呼ぶバンコク店
安竜路付近に立地する上海店。主客層は現地人と日本人で半々
35坪65席で月商24万元を維持する上海店の店内
上海2店舗目を計画中のダイネット社長中川氏

都内でもつ焼き店「厳選もつ酒場 エビス参」を11店展開(直営4店、FC7店)するダイネット(東京都世田谷区、代表取締役:中川徹也氏)が、海外2店舗目となるタイ・バンコク店を2012年12月にオープンした。同社が初の海外店舗となる上海店を出店したのが2008年。もともと上海に滞在していた中川氏の息子・中川郡氏が立ち上げたのがはじまりだという。「日本人が多い住宅地で、当時もつ焼き店が周囲になかったエリアに出店しました。初めの1年は日本客が9割でしたが、現在では現地の方と日本人で半々のお客さまを集客しています。地元の人を集客できるようになったことで、35坪65席で月商24万元を維持しています」

同社が海外2店舗目の地として選んだのがタイ・バンコクだ。バンコクではすでに繁盛している日系企業のもつ焼き店があり、もつ焼き自体が現地の人にも親しまれる商品であった。「息子がバンコクでもつ焼き店が繁盛しているのをみて、やりたいと申し出てきました」と中川氏は出店の経緯を話す。
もつ焼きは、素材の鮮度や質が味の決め手となる。そのため、取引先開拓のために出店の1年前からバンコクへ渡り、物件探しをしながらと畜場を視察して回ったという。「肉の解体の仕方は国によって変わります。そのため、鮮度を保持する方法を伝えたり、私たちがやりやすいようにお願いをしながら取引を始めました」。自分の目で各と畜場の管理方法を見て、より良い肉の管理法を提案するなど、鮮度の高い素材の提供を可能にした。現地では珍しいレバ刺しなど生の内臓肉までもメニューにすることで話題を集めると同時に、他店舗との明確な差別化を図っている。「調味料やそのほか食材は、ある程度問屋が決まっているのですぐに揃います。しかし、看板商品には手を抜かずこだわることで、当店にしかない商品を築くことができます。そのための下準備には時間をかけました」

「海外出店で初めに考えるべきは、独資にするか合弁にするかです。中国は特に営業許可取得までに1年はかかるなど、独資での参入が難しい国ですので、当社では上海店、バンコク店両店とも合弁にしました」。上海は、同地でNo.1を誇る外食グループと、バンコク店は外食経験のないメーカーと共同出資での参入を図った。バンコク店は現地企業の外食ノウハウがないため、運営をダイネットが、財務などを合弁会社が行なっている。

オープンから3ヵ月後には、すでに損益分岐点である87万バーツを超したバンコク店。集客には、広告宣伝費をかけたことが大きかったという。「週10万部発行する『WiSE(ワイズ)』と呼ばれる地域情報誌に、月8.5万バーツの広告費を払い告知しました。3月に損益分岐点を超えたので、広告を一度辞めました。日本円で約30万円の広告費は大きいですからね。しかし、辞めた途端ぱったりお客様がいらっしゃらなくなりました。広告が載っていないと閉店したと思われるようでして(苦笑)。長く営業している飲食店も、ずっとそこには広告を出していますからね」。また、タイには”アルコールの持ち込み文化”がある。客のほとんどは酒を持ち込み、店では、料理オーダーが主だという。持ち込み料はアルコールの量によって変化し、その分の単価が確保できる。しかし、「輸入関税200%」という日本酒や焼酎の原価率は70%にも上がる。そのため、ベトナム焼酎などの低原価の焼酎をメインに打ち出し、フード原価をトータルで10%以下に押さえることで、総原価率を35%に押さえているという。

「日本では4月に都立大駅前にカフェ『しまうま』をオープンさせました。これまで居酒屋業態を展開してきましたが、居酒屋ではスタッフが集まりにくく、若い世代の消費者の酒離れがあるので難しいなと感じています。その分、カフェにするとスタッフが集まりやすいので、今後直営にするならカフェ業態を考えています。また、高齢化が進んでいるので、蕎麦やうどんなどの麺業態も視野に入れています。すでに上海では2店舗目の出店も計画中です。タイは今の店が軌道に乗れば、違う業態でもやってみたいですね」と中川氏は語る。

(取材=虻川 実花)

店舗データ

店名 もつ焼エビス参 バンコク店
住所 138/9 Sukhumvit Soi 33, Klongton Nua, Wattana, Bangkok
電話 02-259-8771
営業時間 17:00~24:00
定休日 無休
坪数客数 70坪 140席
客単価 695バーツ
関連リンク ダイネット

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