日本で居酒屋を展開するてっぺんグループのタイ法人で、バンコク都内にわら焼き居酒屋「てっぺん」と串焼き居酒屋「藤花」を展開する、「てっぺんタイランド TEPPEN (THAILAND) CO., LTD. (社長 柳本貴生)」はバンコクの中心部でタイ最大のオフィス街サトーン地区にある一軒家を改装して敷地面積600平米、店舗面積500平米の大型店舗を8月25日にオープンした。
「てっぺんタイランド」は4年前の2013年6月にバンコク・スクムヴィット地区のエカマイにタイ初のわら焼き居酒屋「てっぺん」をオープン。続いて2014年12月にバンコク・シーロム地区のサラデーンにあるホテルバンダラスイート内に串焼き居酒屋「藤花」、そして去年の11月に「BBQ Beer & Chicken」をオープンしてきたが、今回の「てっぺんサトーン店」は4店舗目の出店となる。
業態としては、1号店のコンセプトであるわら焼き居酒屋業態を踏襲するが、店舗デザインは小上がり席が主体だった1号店とは大きく変わり、テーブル席がメインの店鋪となる。特に、同店舗の売りであるわら焼き台をオープンキッチンの中心に据え、豪快な炎の中で炙るわら焼きの迫力を客が間近で味わえる演出となっている。このオープンキッチンをコの字型に取り囲むカウンターは全長12メートルの天然木を使用しており、席数が19席もある。
また、客席ベンチシートを始め、焼台周りやフードにまで特徴的なデザインのモザイクタイルを使用したり、アンティークなペンダント照明が独特な雰囲気を作り出している。さらに日本から取り寄せた高級和紙を壁面、吹き抜け天井から吊り下げるから大型ペンダント照明などに使用し全体的な和モダンの演出に貢献している。店舗デザインは、1号店と同じく、日本で数多くの繁盛店をデザインし、創業以来25年間で1000件以上の店舗デザインの実績がある「スタジオムーン(代表 金子誉樹)」が手がけた。
1号店があるスクムヴィット地区は日本人が多く居住するエリアにあったが、今度のサトーン地区はオフィス街に隣接しており、店鋪立地の環境が大きく異なる。この違いに対して、「てっぺんタイランド」の社長柳本貴生さんは以下のようにコメントした。
「現在、オープンから二週間経った段階での傾向として、エカマイ店のお客様は日本人、タイ人、欧米人の割合が4:4:2となっています。つまり日本人とタイ人がほぼ同数だったわけですが、ここサトーン店では、タイ人、日本人の割合が6:4とタイ人のお客様の割合が多い傾向があります。さらにタイ人のお客様の傾向もエカマイ店では、友達同士のグループ客が中心だったのに比べて、サトーン店では、近くのオフィスで働く方が仕事帰りにスーツ姿で来られるお客様が多くいらっしゃいます。間もなくランチ営業を始める予定です。サトーン地区のオフィスで働くタイ人はかなりの規模になると考えられますので、ランチ需要を大きく取り込んでいきたいと考えてます。さらに、12月をめどに個室席を充実させて、パーティー、宴会でサトーン店を利用したいというお客様の声に応えていきたいと思います。」
タイの日本食市場は飽和点に達した。バンコク首都圏の日本食レストランの件数が統計を取り始めてから初の純減を記録したなどと伝えられる中、現在店鋪を展開する日本食店はバンコク郊外、あるいは地方への出店を検討したり、客単価を下げた新業態を開発するなどの模索を始めている。
この流れに対して、てっぺんタイランドは郊外でもなく、新業態でもない、バンコク中心部のオフィス街への出店を決断した。この決断がどういう結果をもたらすかは、今の時点では判断できない。しかし、今後の展開を考えている既存の日本食店、これから、タイへの進出を検討している日本の外食産業関係者から注目されていることは間違いないだろう。
(取材=まえだ ひろゆき)
店舗データ
店名 | てっぺんサトーン店 |
---|---|
住所 | 48 Soi 8 Sathon Nuea Rd, Khwaeng Silom, Khet Bang Rak, Bangkok 10500 |
電話 | 02-237-2537 |
営業時間 | 17:00 – 0:00 |
定休日 | 日曜日 |
坪数客数 | 280平米 116席 |
客単価 | 1200B |
運営会社 | てっぺんタイランド |
オープン日 | 2017年8月25日 |
関連リンク | てっぺんバンコク Facebookページ |
関連リンク | 株式会社てっぺん ウェブサイト |
関連ページ | 【タイ発】てっぺんタイランドがBBQ食べ放題の新業態をバンコク・エカマイにオープン |