飲食店・レストラン“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアムワールド」

インタビュー

肉山バンコク

【タイ発】肉山バンコク 平野健太郎 〜和牛といえばコッテリした霜降り肉をイメージするタイ人に赤身肉を訴求することができるか〜

9年前の2009年に和牛(日本産牛肉)のタイへの輸入が解禁されて以来、タイ人の間でも和牛に対する認知度が高まり、日系に限らず数多くの飲食店で和牛を提供する店が増えてきた。しかし、多くのタイ人にとって和牛とはすなわちサシが多く入った霜降り肉のこと。もともとコッテリした味付けが大好きなタイ人に和牛ブランドは大人気だ。

このようなタイの和牛市場に、2018年5月、赤身肉をウリに日本で大人気の「肉山」が上陸した。「肉山」は2012年に東京・吉祥寺に一号店をオープン。日本の赤身肉ブームの火付け役ともいわれ、メニューは5000円のコースのみながら、予約の取れないとして知られる大人気店だ。

果たして、コッテリ大好きタイ人の中に日本のような赤身肉ブームが到来するのだろうか?今回「肉山バンコク」のタイ側パートナーとして実際の店舗営業を取り仕切る。自身でもバンコクで日本食レストランを展開している平野健太郎さんにお話を聞いた。


5B79007C-626E-4D18-9C46-E4529B78E2E1

ー肉山を出店する以前からタイで飲食店をされてたとのことですが、どのような経緯でタイでお店を始められたのですか。


平野健太郎さん(以下平野):去年「創作料理と麺のお店cocoro」をオープンしました。タイには日本で飲食とは別にやっているブライダル事業のパートナーがいて、何度か視察に来ていました。もともと日本で「円らく」という創作和食料理のお店をやっていたので創作和食のお店を開きたかったのですが、たまたま友人経由で紹介された物件がラーメン業態だったので、「円らく」と日本でFCとしてやっている「麺屋こころ」を組み合わせた創作和食とまぜそばのお店をやろうということになりました。

ー肉山の光山さんと一緒にビジネスをするようになったキッカケはなんだったのですか。

平野:光山さんと知り合うようになったのは、まだ三鷹にお店が1店舗しかなかった頃、お店が終わったあとに隣駅の吉祥寺にあったにあった光山さんの創業店「わ」に常連として通っていました。その後、お店以外でも一緒に飲みに行くようになりました。日本でやっている業態の中に「らいおんホルモン」というのがあるのですが、これが光山さんのFC業態のようなかたちでやってます。あと、「かるびあーの」という赤身に特化した焼き肉業態をやってましてこれも光山さんからの紹介でもともとあったお店を引き継ぐかたちで始めて店舗数を増やしてきました。

88BFC55B-4D87-4BCC-8884-B79E2B67F163

ー肉山バンコクを出店するようになったの経緯についてお聞かせください。

平野:まずは肉山を出店したバンコクのレインヒルというビルを日本の「ヒューマックス」が取得しました。「ヒューマックス」の林社長と光山さんが親しい関係で、私も林社長とは何度かお会いしていました。そこで、レインヒルに日本のお店を誘致していきたいというお話があり、光山さんがレインヒルを見に行こうツアーを企画したんです。それが去年の7月です。最初は2階に空いていた大きいスペースを紹介されて、光山さんの他の業態を組み合わせてやるという話もあったんですけど、東京の肉山そのもののスタイルでやりたいということでいまお店を出している小さい方のスペースでやらさせていただいてます。

ーお店で提供する肉どのように調達されてますか。

平野:現在お店で使っている肉は、短角牛、赤牛、黒毛和牛そして、一部にタイで生産されている和牛を使っています。なるべく日本の値段で出したいという希望はあったのですが、短角牛とか赤牛の肉がこっちになかったので探し回りました。実際に肉を買っているお肉屋さんはまだ出てきて間もないところです。

A9019EC4-0161-41D9-BCEF-7D302E7AE419

ータイ人のお客さんの反応はいかがでしょうか。

平野:赤身の肉になれてないところもあると思うんで。そこらへんをきちんと説明しなければと思っているんですけど、反応が極端に別れますね。最初にお出しするモモ肉などのサシが入ってない肉はは肉が硬いと言われるお客様もいますね。日本では赤身ブームが来たときにもう霜降りなんて食えないよねって言っていたりして、そのブームを広げたのは光山さんの影響が大きいんじゃないかなと思っているんですけど。

ーオープン一ヶ月経ちましたが、困ってる点はありますか。

平野:タイの方のキャンセルが多いのは困ってますね。毎日一組二組はキャンセルがあります。あとは時間どおりに来られないお客様が多くて。日本では、お客様が来る前に焼き始めたりするんですが、こちらではご来店してから焼き始めるようにしてます。

肉山バンコク

ー今後の展開はどのように考えてますか。

平野:肉山は何店舗も出す予定はないです。いまは、夜二回転で2,400Bのコースのみを提供していますが、当面これでやってうこうかと思ってます。日本では、土日のお昼に営業をして同じコース内容で一回転やってますので、ゆくゆくはやりたいなと思ってます。オペレーションと人が落ち着いてからですが。

  


平野健太郎(ひらの けんたろう)氏プロフィール
株式会社 円らく 代表取締役
1971年生まれ。埼玉県所沢市出身。大学卒業後、イベント企画会社に入社、レストランバーの支配人などを経験したあと取締役として店舗開発などを手がける。2000年に28歳で独立、古民家創作料理店「円らく三鷹荘(現、肉割烹しんしん)」を東京都三鷹市にオープンする。2005年に新業態としてジンギスカン楽太郎をオープン。その後、ハンバーグ、おでん、ホルモン、ラーメンなどの様々な業態を8年間で10業態27店舗を立て続けに出店した。2017年には初の海外展開の地としてタイのバンコクに「創作料理と麺のお店cocoro Japanese cuisine」をオープンした。

(取材=まえだ ひろゆき)

店舗データ

店名 Nikuyama Bangkok
住所 47 Sukhumvit Rd, Khwaeng Khlong Tan Nuea, Khet Watthana, Bangkok 10110
電話 02-126-6822
営業時間 17:00〜19:30、20:00〜22:30
坪数客数 17席
客単価 3,000-3,500バーツ
運営会社 HABU PLUS (Thailand) co. ltd.
オープン日 2018年5月22日
関連リンク Nikuyama Bangkok FBページ

インタビュー一覧トップへ

食べログ掲載店募集中

飲食施設の分煙環境整備補助金の取り組み
Copyright © 2019 Food Stadium.,Ltd. All Rights Reserved. All Rights Reserved.