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インタビュー

バンコク 格安ラーメン 鶏そば 七星

【バンコク 格安ラーメン 紛争勃発シリーズ】第一回「鶏そば 七星」目標は、日本の ラーメンを タイの国民食にすること。

昨年10月に80バーツを切る 格安ラーメン 店として タイ に一号店をオープンした 七星 (ななせ)。日本で2012年に千葉でスタートした鶏白湯スープのラーメン店。日本では行列ができる人気店。日本の味を守り、タイ人も気軽に利用できるギリギリの価格設定でタイのラーメン市場に挑む。フランチャイズ展開を事業の核にして多店舗展開を目指している。今回は、フランチャイズ本部の赤山豊社長、シラチャ店の加盟店オーナーの後藤俊行さんにお話を聞いた。


バンコク 格安ラーメン 鶏そば七星

ーなぜ バンコク に出店しようとしたのですか?

赤山豊さん(以下赤山):元々宝飾関連のビジネスを展開していました。その関係でタイには宝石買い付けの重要な拠点として、以前からタイへは頻繁に来てました。その時にタイではまだまだ日本のラーメンの値段は高く、普通のタイ人にはなかなか手が出ない高級品なんだなあという印象を強く持ちました。もっと安い価格帯で提供し、より多くのタイの方に食べてもらい、日本と同様の国民食レベルにしたいという想い出店を決意しました。

ー一号店をトンローに出店した理由は?

赤山:提供する価格を出来るだけ安く提供したかったので、広告などにかける予算をなるべく抑えたかったのです。そのため、一号店を出店する場所はとても重要でした。まずは日本人の間に話題になり、それからタイ人に広まるような展開を考えておりました。その点、このトンローエリアは、日本人が多く集まる場所ですし、タイ人に人気のお店も数多くありますので最適な場所でした。

ー店舗探しはどのように行いましたましたか?

赤山:直接自分で探して、自分で交渉しました。自分でできることは出来る限り他人に頼らずにやろうと思っていたので、コンサルティング会社などを極力使わずに自分でやっています。例えば、本店を見つけた時は、好立地に売り出し店舗の張り紙が出ていたのですが、当初より出店先は貸し店舗以外は考えていなかったので、直接オーナーと何度も交渉して、賃貸という条件で契約にこぎつけました。

バンコク 格安ラーメン 鶏そば七星

ーなぜコンサルティング会社は利用しなかったのですか?

赤山:コンサルティング会社が全部悪いとは言いませんが、会社によっては全く進出企業のことを考えておらず、いい加減な人が多いのも事実です。出店するお店の業態や採算性を考えずに、単にコンサルティングフィーや仲介料で儲かれば良いという考え方でアドバイスしてくる人もいます。しかしそれ以前に、やはり人任せではダメだと思うんですよ。

ーそれにしても80バーツというのは、戦略的な価格ですね。

赤山:バンコクにある日系のラーメン屋は、大体2〜300バーツの価格帯となってますが、これではそのうち立ち行かなくなります。タイにラーメン店は何店舗あると思いますか? 300店ですよ。そのうちバンコクだけで200店あります。狭いバンコク都内に200店というのは、大激戦区もいいところです。東京と比べても遥かに店舗が密集しており、何の考えもなしに出店しても、まずうまくいきません。日本人以上に飽きっぽいタイ人を相手に長く続けるには、やはり価格は重要なポイントです。現地の方が負担なく食べることができて、うち七星の味を保つには、本当にギリギリの価格設定なんです。

ー店舗ごとの味の均一化はどのようにしていますか?

赤山:本部の提携工場にあるセントラルキッチンで行なってます。お店ではスープの解凍、麺を茹でるなど最低限の作業のみでできるようにしてます。ねぎ、玉子以外は全部セントラルキッチンで用意してます。本当は店舗でやった方がコストが落ちる部分も多いんですけど、味をブレさせないためには、絶対必要なんです。

バンコク 格安ラーメン 鶏そば七星

ーラーメン以外のメニューがあまりないようですが。

赤山:ラーメン屋はラーメンで勝負しないとダメだと思うんです。客単価を考えるとドリンク類などで収益をあげる方法もあるかと思います。しかし、我々のお店ではラーメンのみで採算が取れるようにして、ラーメン業態としてのコンセプトを重視して行こうと考えてます。お客さまの要望もあり、ご飯を置いたり、餃子を置いたりしていますが、鶏スープで炊いたご飯だったり、餃子の餡は鶏を使ってるなど、やはりコンセプトが大切です。

ー七星のフランチャイズ展開についてお聞かせください。

赤山:現在、トンロー店以外の店舗はフランチャイズです。フランチャイジーの募集は、我々のスタイルに興味を持っていただいた方が直接問い合わせてきたもの、あとはフランチャイズショーに出展した際にご説明をしてその後、商談を進めているのもあります。フランチャイズショーは毎年バンコクのコンベンションホールで開催している展示会ですが、フランチャイズ展開したいお店が出展して、興味のあるタイのオーナーや、海外の方が見に来ます。すぐに商談となるので、話も早いです。
さらに、フランチャイジーとして加盟された方へのサポートとして、現在、4人のスーパーバイザーがおります。お店によりオペレーションを組み、現場の指導にあたっています。オープン後もお店を回って、味やオペレーションをチェックしています。

ー後藤さんはシラチャ店のフランチャイジーですけど、実際どうでしょう?

バンコク 格安ラーメン 鶏そば七星
後藤敏行さん(以下後藤):本当にサポート体制はすごいです。赤山さんとは元々縁がありフランチャイズをやらせて頂いていますが、キッチリ指導いただいています。最初の2週間は毎日来てもらってました。そのあと週1回になり、今は月1回来てもらってます。

ースーパーバイジング以外もサポートはあるのですか?

後藤:提灯やのぼり、器や鍋なども全て提供してもらってます。突き詰めるとそこまでやらないと同じ味にならないんだと思います。ユニフォームなども提供してもらってますね。

ー後藤さんは、ゴールドカレーなど、他にも色々フランチャイズをされてますが、他と比べて七星さんはどうですか?

後藤:例えばゴールドカレーなんかは、殆どうるさいことを言われないし、結構自由にやらせてもらってます。例えばこちらでメニューを増やしたりしても、何も言われませんが、逆に言えば自由度が多い分スタッフトレーニングや内装設計等はこちらでやらないといけません。七星さんの場合は、しっかりトレーニングしてもらっており、サポート体制は本当にすごいと思います。その分自由度は少なくて、枝豆を出しただけで警告状が来ました(笑)
赤山:え?それは知らなかった。でも、なるべくフランチャイジーさんの負担を減らしたいと考えています。

ートンロー店のお客さまの国籍の比率は日本人がやはり多いですか?

赤山:いまは日本人が55%、タイ人30%で、残りがそれ以外の外国人ですね。もう少しタイ人の比率を上げたいので、日本の本店と比べると若干薄味にしているのですが、あまり薄くすると今度は日本人には物足りなく感じるようで、その辺のバランスが難しいですね。

ーそれは意外でした、タイ人の方は濃いめの味付けが好みかと思いました。

赤山:そうなんです。濃い味は受け付けないようなんです。とは言え、ラーメンはひとくち目のインパクトがとても重要なので、それを損なわないギリギリのところでコントロールしています。

ータイで飲食店を経営する場合の注意点などありますか?

赤山:教育にはチカラを入れているつもりです。例えば毎月1日は七星本店の休業日なのですが、その日は社員を集めてのミーティングを行ってます。ミーティングと言っても、お店の掃除から問題点の共有、意見交換などを行い、社員の意識向上を図っています。またシフトの引き継ぎ時にも、少し時間を取って申し送りをする時間を取ってます。
あと、苦労するのは、スタッフ問題ですね。注意しただけですぐ辞めちゃったり、長期休暇の後、戻ってこなかったり。タイ人はあまり働きませんしね。タイ人以外にも、ミャンマー人、ラオス人が働いているのですが、その中での人種差別とかも悩みですね。タイ人はミャンマー人を下に見ているし、ミャンマー人は、タイ人より能力が高いと思っているので、放っておくと変な軋轢が出ちゃうんです。「七星は国際企業なので、人種差別は禁止。実力主義なので、タイ人だろうがミャンマー人だろうが、できる人が上。」それをスタッフには徹底させてますね。そうしないと組織として成立しません。

ー今後の展開は?

赤山:今、フランチャイズに興味を持たれている方から多数問い合わせをいただいてます。目標はBTSの各駅ごとに出店することです。価格的にやはり沢山出店しないと厳しいビジネスモデルなので、今後もどんどん多店舗展開を推し進めていく方針です。

ー本日はありがとうございました。

(聞き手/高岡英樹、まえだひろゆき)

 

赤山 豊氏プロフィール

千葉にて「鶏そば 七星」、東京で「麺や 月星」を手がける。自身の別事業でタイに関わる過程で、タイ進出を決める。後藤 俊行氏プロフィール
「とっぴー」として在タイ日本人の間では、広く知られる。1975年静岡市葵区生まれ、大学から石川県金沢市へ行き、バーを8年経営。その後、雑貨屋経営3年。仕入れ先としてタイと出会う。バンコク在住11年。金沢ゴールドカレー・深夜食堂広告部長。2013年4月1日公開のタイ映画「クーカム」に出演他、ICHITAN green tea等、タイのTVCM、民放にも多数出演。
【店舗情報】
店名(かな):鶏そば七星 トンロー本店(とりそばななせトンローほんてん)
住所:トンローソイ55と57の間
アクセス:BTSトンロー駅より徒歩3分
電話:02-013-4159
営業時間:11:00AM〜2:00AM
定休日:毎月1日
駐車場:なし
坪数 席数:40平米 24席
客単価:非公開
売上:非公開

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