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インタビュー

【タイ発】Vonkura Co., Ltd. 佐藤貴哉 〜トンロー横丁 たび重なる危機を乗り越え、居酒屋とスープカレーで再起をはかる〜


トンロー横丁

新店舗ファサード



タイの首都バンコクで日本食といえば、日本人が多く住むスクムビット通りから入ったトンロー付近に集中している。1997年の日本村、2005年のJアベニューオープンなど、常にこの地の日本食シーンを代表するモール、日系飲食店がしのぎを削ってきたエリア。

そして、タイの日本食ブームが定着し、数多く日本食店が増え始めたいまから7年前の2013年、バンコクの日本食激戦区トンローエリアに日系居酒屋としては最大級の600平米の店舗面積を誇る「トンロー横丁」が誕生した。オープン当時、斬新な内装と多彩なメニューでたちまち話題店となった。

トンロー横丁

2013年オープン当時店内



その後、一時閉店、大規模な改装、同じビルの2階への移転、スープカレー店が併設されるなど様々な変容があり、今年の9月、トンローのソイ18からソイ11へと移転した。オープン以来常に変化し、迷走してきた居酒屋「トンロー横丁」について、ここの立ち上げから責任者を務めるVonkura Co., Ltd.の佐藤貴哉さんにこれまでの経緯、今後の展望について話を聞いた。

ー佐藤さんがそもそもタイに来たキッカケは何だったんでしょうか。

佐藤貴哉(以下、佐藤):2008年の4月6日に来ました。その時は、ラーメン店のばんからの立ち上げとして、タイに来たんです。そのばんからに3年間くらいいて、そのあと2012年の2月に自分でプラカノンに店を出しました。4ヶ月でつぶれましたけどね。

トンロー横丁

2013年大改装後店内



ートンロー横丁をオープンする経緯はどうだったのですか。

佐藤:そのあと、現在のトンロー横丁のオーナーに出会い、協力していただき、プロンポンのEllesie Mallというブティックモールににカレー、鉄板焼き、唐揚げのお店を出店しました。このお店も半年でダメになりました。そのときにやってみなよ経験だからと言ってもらい始めたのがトンロー横丁です。

ートンロー横丁を始めた頃はどんな感じでしたか。

佐藤:いまだから言えることですが、いまあったら流行ってましたね。あんな感じの斬新な内装で、あんなに広い店は今のトンローにもないくらいで、いまの僕とスタッフたちがいれま間違いなく流行ってたと思います。ただ、僕たちの経験不足で、僕も居酒屋はやったことがなく、しかもあれだけの大箱は無理でした。売り上げもひどかったです。毎月50万バーツくらいの赤字で。

トンロー横丁

焼台



ーその時はお店を続けるためにどんなことをしましたか。

佐藤:一緒にやっていた日本人が辞めたこともあって。仕切り直しのための全面改装をしました。日本のデザイナーを呼んで最初から作り直すことにしました。客席に鉄板コーナーをつくったり、焼き台も作りました。結果は、よかったと思います。僕もお客さんを呼ぶことに集中して、集客もめちゃくちゃありました。

トンロー横丁

屋外席



ーその後、同じビルの2階に移転したのはどういうことだったのですか。

佐藤:単にビルのオーナーから契約を延長しないって言われたんですよ。ただ、同じビルの2階に空いてるスペースがあるから家賃も下げるしどうだと言われました。他の物件を探した経験もなかったし。そのまま上に移ることにしました。

ー2階に移ってからの状況はどうでしたか。

佐藤:一番困ったことはオペレーション地獄ですね。キッチンは一階のままでしたから、これを2階のお客様に持っていくのが大変でした。結果的にスタッフ数も増えることになりました。売り上げの方はカレーが追加されたので良くはなりました。結果的に今回の移転にかかる経費が出せるくらいは残せました。

トンロー横丁

カウンター席



ーその流れの中でお客さんの層に変化はありましたか。

佐藤:日本人とタイ人の比率は7年前のオープン当初は、日本人:タイ人=7:3でしたが、その後、Youtubeで流れたりとか芸能人の方が多く見えられたりとかで、6:4くらいに逆転しました。ハッピーアワーにビールの「Buy1 Get2」や、しじみ味噌汁フリーなどの他ではやってないようなプロモーションを実施したことがよかったと思います。あと一気飲み大会、カラオケ大会などゲーム性のある企画をやったり、日本人が常に店にいてお客さんとコミュニケーションをとるなど気軽に日本と接触できる店にすることができました。

トンロー横丁

スープカレーコーナー



ー紆余曲折があって今回の移転となりましたが、今後のことをお聞かせください。

佐藤:とりあえずは、年内にこの場所で「トンロー横丁」を完成させることです。いまは雨の多い雨季という季節ですが、スタッフの強化ですね。料理もサービススタッフも。そして、年末に備えて11月中旬には2階の客席も完成させ、外の席も稼働させます。夜の居酒屋、ランチのカレーそしてデリバリーで月200万バーツは考えてます。もう走るでしょうね。

トンロー横丁

北海道スープカレー



ーでは、お店が「完成」したあとの次のステップとは。

佐藤:現在、北海道スープカレーの方に90%くらいの力を入れているので、それをどう走らせるかですね。僕が飲食をやってて一番考えていることは北海道とタイをつなげることなんです。自分が北海道民であることを誇りに思っているので、北海道スープカレー、北海道料理を知ってもらうことを考えています。タイ人が日本で一番行きたいのは北海道で、ラーメン、寿司以外にもこんなのがあるよってことを伝えて、向こうでも食べてほしいし。

ー具体的にはどのような展開ですか。

佐藤:スープカレーとスパイスカレーですね。ココイチとかとは違った日本のオリジナルカレーです。健康志向プラス北海道プラスでタイの人に広めていきたいですね。居酒屋はここ1店舗で十分なんで。あとは、カレーの方です。デリバリーをしながら、ここ以外にアソーク、シーロムにカレーの店を出して。でもトンローは駐妻だけの空間にしたいですね。僕は日本人が好きなんです。モテたいんです。

ーありがとうございました。

(取材=まえだ ひろゆき)

店舗データ

店名 トンロー横丁
住所 138/1 Soi Thong Lo 11, Khwaeng Khlong Tan Nuea, Khet Watthana, Krung Thep Maha Nakhon 10110 Thailand
電話 095 698 7096
営業時間 17:00 – 0:00
定休日 火曜日
坪数客数 240平米 90席
運営会社 Vonkura Co., Ltd.
オープン日 2013年5月
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