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<連載>低成長の中、成熟していくソウルのフードマーケット! 第二回 ソウルの飲食マーケットで本格和食と本場のおもてなし提供を目指す、日本食と焼き鳥「ごう」を運営する福島直弥社長をインタビュー

外国人が多いことも含め、よく東京の六本木に似ていると言われる街、梨泰院(イテウォン)。週末はまともに歩けないほど人の流れも多く、ソウルでいま最も飲食店の競争が激しいエリアである。イタリアン、中華、スペイン、エスニック、中東料理等々、多国籍のお店が多いのも梨泰院の特徴の一つ。この街で日本食と焼き鳥の業態「ごう」を運営し4年目を迎える福島氏に、ソウルに進出したきっかけやマーケットで感じていること、そして飲食への思いを伺った。


ブランドの紹介とオープンのきっかけをお願いします。

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韓国は2012年4月5日に海外初店舗としてオープンしました。
私は九州の出身で、日本の飲食店で働きながら、「いつかは独立をしたい」という気持ちがありました。最初は福岡にお店をオープンしたいと考えていましたが、そんな折に韓国へプライベート旅行の機会がありました。
日本にはない活気、ソジュ(焼酎)をガンガン飲み外食を楽しむエネルギーに感動を受け、「韓国でお店を出したい」という気持ちになりました。
早速日本のオーナーと相談して、2012年に100%直営店としてオープンすることになりました。

ソウルでも多くの地域がありますが、1号店を梨泰院(イテウォン)に決めた理由はありますか?

まず街を見て、街自体の雰囲気が気に入りました。当時私は30歳でしたが、顧客層も私と同じ年齢位の人から40代ぐらいまでの顧客が多く、良いと思いました。総合的に梨泰院の街が私とよく合うと思ったのが理由です。明洞、弘大、江南などもみましたが、自分には梨泰院が一番合う街でした。

実際に「ごう」梨泰院店の顧客層はいかがでしょうか?

まず年齢層から言えば、20代後半から30代のお客様が多いです。男女比は女性が70%、男性が30%程度で、女性が圧倒的に多いです。
そして嬉しいことに現地の韓国人が約80%程度と多く、20%程度は駐在員を含む日本人。ほとんどが常連のお客様です。地元の人々に受け入れられていることが嬉しいです。この街でオープンして良かったと思ってます。

梨泰院だけのメニューや接客サービスなどはありますか?そして人気メニューは何ですか?

eyecatch%ef%bc%88%e6%96%99%e7%90%8602%ef%bc%8920160926%ef%bc%bf%e3%81%94%e3%81%86%ef%bc%bf05まず、メニューに関しては現地化はしていません。ただし、韓国の顧客はご飯物を食べながらお酒を飲む傾向があるので、日本のメニューよりご飯物のメニュー数を多くしています。だからといって、そのメニューを韓国に合わせてアレンジはしてないです。
我々のコンセプトが「正しい日本食を伝えたい」なので、現地に合わせた味付けなどはしてません。
人気メニューは焼き鳥の中では「つくね」・「ホルモン」・「ネギま」がよく出ます。一品料理の中ではやはり「餃子」と「たまご焼き」、そして「あぶりシメサバ」が人気があります。
ドリンクメニューでは我々もオススメをしている「ハイボール」がすごく出ますね。特に女性に人気です。韓国男性はやはり「チャミスル」などの韓国ソジュ(焼酎)が圧倒的に多く出ます。後は日本酒も人気です。

確かに、ここ2~3年 韓国で「ハイボール」人気が増えてますね。
韓国でオープンし、文化の違いや予想外の困難などはありましたか?

東京でやっていた人が九州に出すとしても色々と難しさがあると思いますが、私の場合は国を越えて海外でのオープンだったので、覚悟をしていました。
だから小さな問題から大きな問題まで色々なことがありましたが、予想をしていたのでさほど混乱や驚きはありませんでしたね。あとは自分はそんなに深く考えるタイプではないので、オープン当時の大変さなど忘れてしまいました(笑)。
ただ、あるとしたら、言語の壁くらいですかね。今では私たちのスタッフの中に日本語が分かるスタッフもいますし、不便はありません。私も今では韓国語を少し話せるようになりました。

去年清潭洞(チョンダムドン)に2号店をオープンしましたね。2号店はどのようにオープンしましたか?

%ef%bc%88%e5%86%85%e8%a6%b3%ef%bc%8920160926%ef%bc%bf%e3%81%94%e3%81%86%ef%bc%bf03梨泰院本店の常連客で3店舗の居酒屋を運営している方がいて、その内の1店舗を「ごう」に変えたいとの意向があり、話はスムーズに進みました。それで2015年12月にオープンしました。フランチャイズでの展開です。今後はフランチャイズを中心に店舗展開をして行く予定です。

焼き鳥は焼く技術が必要だと思いますが、フランチャイズ展開では技術や味付けなどをどのように教えていますか?

そうですね、やはり研修期間をしっかりと確保しています。そしてこちらですべて串打ちして毎回送っています。焼く技術に関しては適切な研修期間を設けて、教育プログラムを徹底して教えています。オープン後も、週に1度は直接私が行って、技術指導と味のチェックなど継続的に行っています。

なるほど。オープンまでも重要ですが、味の維持を含むオープン後の継続した運営管理も大事ですよね。

はい、そうです。

今後、フランチャイズ展開をする上で重要に考えている部分はどこですか?

そうですね。展開する上で、何よりもパートナーになる人との考えですね。その人と話をしてみて、我々と、そして「ごう」のブランドと合うかどうかが重要だと思っています。日本でも韓国でも同じだと思いますが、軽い気持ちで副業的に飲食店をやってみようというのではなく、飲食店に対してどれだけ真剣に考えているかが重要だと思います。
こちらの条件を確実に伝え、単に店舗を増やすため、利益のためだけではなく、貴重なパートナーとして慎重に確認をして、お互いに一緒にやって良かったという関係で展開しようと考えています。そういった部分を相互によく話し合って探したいと思います。
展開する地域としては、ソウルの主要ベッドタウンでもあるソウル北の「イルサン(一山)」や、南の「ブンダン」なども面白いと思います。居住人口も多くオフィスもありますし、興味深い地域だと思います。

ソウル飲食マーケットの代表地域である梨泰院でオープンして4年目を迎えますが、今の飲食マーケットをどう感じていますか?

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そうですね。私も最近に人に会って感じることが、昔と違ってお店を選んでいくんだな、と。自分が使うお金と時間を、価値あるものに使おうとしていることを感じています。

私もそう感じてますし、本来そうするべきだと思います。

最後に、韓国への進出、運営の先輩経験者として今後韓国進出を考えている方々にソウルの飲食マーケットの特徴、魅力についてお願いします。

ソウルに進出するにあたって、今はとても良いタイミングだと思います。先ほども言いましたが、韓国人は以前より食べ物を含め、日本を経験している人が多いので、日本食を受け入れやすい環境になっていると思います。そして、以前とは違って日本酒や焼酎などさまざまなお酒が韓国に入ってきた結果、幅広い商品構成もできるようになりました。そういう意味では、私自身も韓国に来たタイミングが非常に良かったと思いますし、これからも良いと思います。日本でも韓国でも良いところも悪いところもあると思いますが、結局はやった者勝ちだと思っています。

ハウマックスコリア代表取締役 申 宇徹



《プロフィール》
SHIN_WOOCHUL_PIC申 宇徹 (シン ウチョル) SHIN WOOCHUL
ハウマックスコリア HOWMAX KOREA  代表取締役社長
http://www.howmax.co.kr
韓国ソウルの東国大学の人文学部を卒業後、2003年に日本の焼肉大手(株)トラジに入社。 2005年トラジ初の海外店舗となるトラジ・ダイアモンドヘッド店の立ち上げメンバーとして1年間ハワイで勤務後、エリアマネージャーとしてトラジコリアを設立及び担当。
2006年トラジ退社後に韓国に帰国し、ミュープラニング社の韓国パートナ企業で飲食コンサルタントとして勤務し、アジアン、イタリアン、コリアンなど飲食店の企画、開発、運営などに関わる。
2010年より日系不動産コンサルティング会社である(株)ハウマックスコリアにて韓国と日本を中心に商業施設の開発コンサルティング・テナントリーシングなど不動産業務と海外進出サポート・ブランド導入などのビジネスコンサルティングサービスを担当している。2016年1月に同社の代表取締役社長に就任。

店舗データ

店名 ごう
住所 ソウル市龍山区梨泰院119-17B1
アクセス 6号線イテウォン(梨泰院)駅1番出口から徒歩3分
電話 +822-794-7088
営業時間 月~木・日17:00~翌1:00(L.O.24:00)  金・土17:00~翌3:00(L.O.2:00)
定休日 不定期 (旧正月、チュソック<韓国のお盆休み>)
坪数客数 20坪・42席
客単価 28,000~29,000ウォン
運営会社 (株)サムライグローバル
関連リンク http://www.goukorea.co.kr/

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